This page:特定調停の心得TOP
特定調停の申し立て
特定調停と言うのは多重債務などに陥って、毎月の借金の返済が滞りつつある債務者が簡易裁判所に申し立てを行うことによって、債務者と債権者の間を仲裁し、より返済しやすい条件となるように利息や期間などを考慮して、両者の合意を得る方法です。
特定調停は個人で行う場合もありますが、負債額が大きい場合や、債権者が多数に上る場合などは弁護士や司法書士に依頼することが多いようです。
特定調停ではまず必要書類をそろえて簡易裁判所に提出することから始まります。主な必要書類としては、債権者一覧、家計簿、所得証明(最低でも過去3ヶ月分ほど)、住民票、戸籍謄本、各金融業者との契約書、払込書や領収書などです。
裁判所では特定調停の申し立てを受けると選任の担当者(調停員)を選出します。その後第1回目の調停期日を申し立て本人に通告します。裁判所で行われる調停期日は必ず平日となります。また万が一指定された期日に出向くことができなかった場合には罰金が科せられることがあります。
一方、特定調停の依頼を受けた裁判所の調停員は一覧表に基づいて債券者ごとに取引履歴の開示と、利息制限法による利息の引き直し計算を行った書類の提出を要請します。この提出は第1回の調停期日までに行われなければなりません。
さて第1回の特定調停では債務者と調停員の間での話し合いとなります。特定調停では債務者と債権者が直接交渉することはありません。そのためこの第1回の調停の際に細かなことまですべて調停員に把握してもらう必要があります。
この話し合いによって調停員は負債者の家計状況を把握した上で、毎月の収入から最低限の生活費を差し引き、借金の支払いにまわせる金額を算出して行きます。その後第2回目の調停期日に調停条項案を作成します。
特定調停と債権者
特定調停では通常3~4回に渡って、調停が行われます。最初の2回は裁判所の調停員と負債者の間での話し合いで最終的に調停条項案が作成されます。
特定調停の第3回目の調停では調停者と消費者金融などの債権者が直に交渉や調整を行います。この調停において意見の折り合いがつかない場合には「17条決定」と言う方法が取られる場合があります。
17条決定と言うのは特定調停での負債者側と債権者側の折り合いがつかず、話し合いがうまく運ばない時に、調停員がいったん手続を打ち切り、その後裁判所が適当と思う解決策を提示することです。通常はこの17条決定によって特定調停が成立することが多いのですが、17条決定が出されても2週間以内であれば異議を申し立てることで無効とすることが可能です。このような場合には最終的には訴訟で結論を出すことになります。
調停条項案に同意せず17条決定に任せると言うことは良くあることです。特定調停では返済期間を3年間とするのが慣例ですが、これ以上例えば返済期間が5年に渡る調停条項案などは拒否される確率が高くなります。これは業者としてもなるべく早く借金を回収したいと言う気持ちが強い場合が多く債権者の権利としては考慮せざるを得ない場合もあります。
調停員による調停条項案や17条決定は、いったん決定されると裁判の結果同様の効力を持つことになります。そのため決定に反して返済が再び滞った場合などには即刻債権者から給料の差し押さえなどの強制執行が行われますので注意しましょう。
特定調停のメリット・デメリット
特定調停は債務整理の中でも非常に良く利用される方法の一つです。債務整理の中から特定調停を選択するメリットとしては、まず特定調停では調停条項案を出す前に利息制限法に基づいた利息の引き直し計算が行われます。それによって借金自体が無くなることはありませんが、利息の軽減や返済期間の延長などの効果が期待できます。
次に特定調停の申し立てを行った時点で消費者金融業者などからの取り立て行為などは無くなります。万が一これを無視して取り立て行為などを行った業者は処罰の対象となります。
特定調停ではすべての債権者に対して行う必要は無く、債権者を選択することが可能です。そのため保証人などに迷惑をかけたくない場合には外すことができます。
また特定調停では現時点では返済可能であっても近い将来に不可能となる可能性が高い場合には申し立てることが可能となります。
また特定調停は自己破産などとは異なり官報に記載されることもありません。
さらに債務整理でも特定調停にかかる費用は定額になっています。
では債務整理で特定調停を選択するデメリットはあるでしょうか。
まず他の債務整理同様に個人信用情報機関などに事故記録が残るため5~7間に渡って新たなローンを組んだり、クレジットカードの入手や使用はできなくなります。
また特定調停では必ず調停が成立するとは限りません。債権者によっては決定に断固として異議を唱える場合もあり、その場合には訴訟に持ち込まれてしまいます。
また裁判所に平日に最低でも3回は足を運ぶ必要があります。